1995年8月17日にアスペクトから『学校であった怖い話』(以下、学怖)の小説が出版された(上巻,下巻。各520円)。
当時はそれほど知られていなかったため、初版のみの発行。現在は入手困難になっている。
2006年に飯島多紀哉氏が発足した同人サークル「七転び八転がり」の第一弾ゲームとして、この2冊の小説をWindows用ソフトで復活。
それが『アパシー 学校であった怖い話〜Visual Novel Version〜』(以下、VNV旧版)である。
小説版の内容を忠実に再現し(そのため選択肢は無し)、グラフィックとサウンドを付加したビジュアルノベル作品。
売れ行きは好調で、発売から三週間で一万本以上を出荷した。
スーパーファミコン版(以下、SFC版)やプレイステーション版(以下、PS版)を意識したレイアウトで制作。
さらに、BODY氏によって生ピアノ演奏されたSFC版の音楽を収録。
右画像の「私の人形」「大本真美」「倉田恵美」「スクールデイズ」「動揺02」の5曲が新曲で、それ以外の曲はSFC版ファンなら知っている曲ばかり。
小説の再録だけでなく、新作シナリオの「恵美ちゃんの坂上クン観察日記」を収録。
このシナリオのみ分岐があり、7種類のエンディングが用意されている。
飯島氏は、PS版で追加された新規シナリオには関わっていなかったため、今回初めて倉田恵美のシナリオを書いたが、PS版の倉田との性格のギャップが大きく、PS版ファンは戸惑いをおぼえた。
2007年12月29日に発売された『アパシー ミッドナイト・コレクション VOL.1』のおまけとして、関西弁パッチが付属。
これを使うことにより、語り部が関西弁になる『VNV旧版』が楽しめるようになった。
話し方が変わるだけでなく、シナリオの一部や結末が全く違ってくるシナリオもある。
2008年4月25日に『アパシー 学校であった怖い話1995〜Visual Novel Version〜 新装版』(以下、VNV新装版)を発売。
『VNV旧版』に収録されていたSFC版の曲が、新規の曲に差し替えられた。
『学怖』の特徴であった縦書きのテキストも、ネットやケータイ文化の時代の流れにより横書きに変更。
『VNV旧版』では、体験版をプレイした人から「怖くて遊べなさそう」「気持ち悪い」などの意見が寄せられたために自粛していた過激なグラフィックを、今作では新規に描き下ろして追加(右画像)。
『VNV新装版』では関西弁パッチは未対応だが、その代わりに岩下明美が語り部の「飴玉ばあさん」をおまけシナリオとして追加。
選択肢と10種類以上の結末があり、飴玉ばあさん誕生の秘密に迫っていく。
片霧烈火さんが歌うエンディングテーマ曲も収録。
あとコンフィグの文字色選択にも、ちょっとした遊び心が…。
『VNV新装版』と同日に『アパシー学校であった怖い話1995』(以下、小説版)が発売。
これは、紙媒体でも読みたいという声に応えて発行。尚親さんが20枚のイラストを新規に描き下ろしている。
2009年8月15日に『アパシー 学校であった怖い話1995 特別編』(以下、特別編)が発売。
全51種類の分岐付きのシナリオを収録。アパシーシリーズでは、最もSFC版学怖に近い作りとなっている。
VNVの一話目から六話目までも、分岐と複数のエンディングを追加して再録。
ただし、オープニングの「ワタシの人形」と七話目、及びおまけシナリオ類は未収録。
登場キャラと一枚絵のグラフィックが全て一新された。
2010年12月30日に『アパシー 学校であった怖い話1995〜Visual Novel Version〜 最終版』(以下、VNV最終版)を発売。「VNV新装版」に新規シナリオを2本追加。既存シナリオを1本削除。
「七転び八転がり」公式サイトで行っていた役者募集の応募者とスタッフを合わせ総勢70人以上が、ゲーム内のキャラとして参加するアパシー実写化企画作品。
「キャラクター立ち絵切り替え機能」を新たに搭載。
ゲームデータ内に実写俳優画像の他に、新装版、鬼哭の章(AMC2)、特別編のキャラデータを同梱。ゲーム中の登場キャラ76名を好きなように変更可能。
自分で用意したイラストや写真を使用することもできる。
このソフトは「Visual Novel Version」の最終版です。「特別編」のシナリオは収録されていません。
最後に『VNV旧版』『VNV新装版』『小説版』『特別編』『VNV最終版』の収録シナリオを 一覧表にしてまとめておきます。
収録シナリオ一覧表
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VNV旧版
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VNV新装版
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小説版
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特別編*1
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VNV最終版
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第一話 高木ババア 〜新堂誠の話
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第二話 ゲーマーの条件 〜荒井昭二の話
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第三話 あなたは幸せですか? 〜福沢玲子の話
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第四話 かぐわしきにおひ 〜風間望の話
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第五話 偽りの愛 〜岩下明美の話
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第六話 魅惑のトイレ 〜細田友晴の話
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第七話 学校であった怖い話
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恵美ちゃんの坂上クン観察日記
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飴玉ばあさん(語り部:岩下明美)
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*2
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教師編(語り部:新堂、細田、岩下)
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生徒編(語り部:荒井、風間、福沢)
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正しいフィギュアの作り方(語り部:荒井昭二)
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*2
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関西弁パッチ対応
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*1 特別編は、上記のシナリオ以外に45種類の新作シナリオを収録
*2 2010年5月2日発売の『アパシー学校であった怖い話1995特別編 追加ディスク』に収録
(遊ぶには『特別編』がインストールされている必要があります)
ちなみに『アパシー ミッドナイトコレクション VOL.2』に収録されている「アパシー 学校であった怖い話〜Visual Novel Version〜鬼哭ノ章〜」は、『小説版』から再録した「正しいフィギュアの作り方」以外のシナリオは、七転び八転がりのスタッフが執筆。
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