細田友晴のトイレ好きな理由
初めまして。細田友晴です。2年生だよ、よろしく。
君はトイレのことをどう思ってるかな?
たぶん大抵の人は「汚い」って言うだろうね・・・結構使用するくせにね。
それでね、頼みごとがあるんだけど、僕がこれから言うことを新聞に
匿名で載せてほしいんだよ・・・
1.いいですよ 2.いやです 3.名前はこっそり公表する
え、そうかい?よかった。ありがとう!
実はね、旧校舎を取り壊すと居場所のなくなった霊たちは新校舎に住み
着いちゃうんだよ。
もちろんいい霊だけじゃないよ。悪霊だって住み着くさ。
そうなると、僕もここに住み着くしかないしね〜。
「え?今、何て言ったんだろう?確か、"僕も"と言ったような・・・」
あのさ。実は僕、トイレの神様なんだよ。
ところで、もし良ければ僕の友達になってくれないかな?
1.いいですよ 2.絶対いやです! 3.頭の変な人とはちょっと…
え!本当?うれしいなぁ〜。あ、僕そろそろいかなきゃ!
ごめん急で、僕の話はこれでおしまい!
友達になってくれてありがとう♪たまにはトイレにも遊びに来なよ!
細田さんはそう言うと満面の笑みを浮かべ、段々と透き通り、ついには
いなくなってしまった。
トイレの神様というのは、本当なのかもしれない。
僕は1回深呼吸し、そして次の人の話へ移ることにした。
時田安男のフィルム
見かけるコトは決してないと思っていたモノがそこの棚におかれていた。
異様なオーラを漂わせたそれは、荒井さんが燃やしたと言っていたあの
フィルムなのだろうか?
まさか燃やしたモノが、また何の傷もなしにほぼ新品の状態で出てくる
はずがない。
見るなと荒井さんに言われていたフィルム。
どうしてそれだと確定できるかといえば、感じるから。
ただそれだけなんだけど。
僕はすでにまちがいを犯してしまったのかもしれない。
意志とは関係なく手がいつのまにかそれを握っていた。
そして学校の倉庫におかれている必要機材をひっぱりだしていた。
ひかれるようにすべてをそろえ、フィルムがセットされた。
暗がりで長方形の映像は動き出した。
そこには新聞部の部室が映し出され女2人男5人がいた。
そして僕は何が起きたかわからなかった。
轟く悲鳴と共に視界が真っ白になり、そしてすべて闇の中へと吸い込ま
れた。
次は君の所へ7人の悲鳴と共にフィルムが・・・
<このSSは、映画好きな時田安男くんに捧ぐ>
荒井君の★
僕は荒井昭二。
僕は夢を見た。
人形となり、暗闇に座っていた。
僕が人形になっていたのか、あるいは人形が僕の夢を見ていたのか?
・・・ある日、身体がすけていることに気付いた。
新聞の記事とかで呼ばれたときに人形の話をしてから、何かが狂っていた。
坂上修一くん、彼がよく夢に出てくるのだから。
それと同時に体もすけてきた。
僕はこのまま消えてしまうのか?
何日かして、坂上くんの死を夢で見届けた。
そして身体にも変化が表れた。
僕の体は、すけることなくはっきりしていた。
僕が人形になる夢をみていたのか、
あるいは人形が僕になる夢をみていたのか・・・
完
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