(29)正美おばさんと素人催眠術の秋 −おばさんの催眠術披露の後、休憩する事にしました− 由香里「にしても、正美ネエが催眠術できるとはね」 葉子「どこで習ったんですか?」 正美「通信教育ですの」 由香里「・・・便利な時代だねぇ」 正美「よかったら、少し教えて差し上げますけど?」 葉子「ホントですか!ワタシ教えて欲しいです」 由香里「ちょっと。何するつもりなの」 葉子「泰明さんをワタシの虜に!な〜んちゃって、あは」←半ば本気 由香里「アンタ、時々とんでもないことサラッと言うよね・・・」 −講義開始− 正美「まずは、初心者ですから道具を使った方がいいですわ」 【5円玉に糸がついたモノを取り出す】 由香里「古典的っつーか、マンガみたいなネタじゃん」 正美「けっこう効きますのよコレ。さぁ由香里さん。いいですね?」 由香里「えっ、実験台あたしなの?まぁ・・・別にいいけどさ」 正美「あなたはだんだん眠くなる。あなたはだんだん眠くなる」 【ぷら〜ん・ぷら〜ん】 正美「肩の力を抜いて、この5円玉を見て、リラックスして」 【ぷら〜ん・ぷら〜ん】 正美「だんだん・・・眠くな・・・る。あなたは・・・眠くな・・・る・・・」 【スー・スー】←寝息 由香里「おーい!正美ネエが掛かってどうすんの」 正美「はっ。私としたことが、うっかりと・・・ごめんなさい」 由香里「何だかなぁ〜。次は葉子でやってみてよ」 葉子「そ、そんな。ワタシは教えてもらう立場だし〜」 −小道具を奪い取る由香里− 由香里「ほらほら。あなたはだんだん眠くなる。あなたはだんだん〜」 葉子「・・・・・・・・・」【スー・スー】←寝息 由香里 (さまぁ〜ず風に→)「効いちゃうんかよ!」 −続きます− ▲目次に戻る (30)更紗と恭介(更紗と動物の秋) 私の名前は更紗。 この広いお屋敷に、お兄様と二人暮らしをしているの。 とっても仲が良い兄妹です。 更紗「お兄様、起きてください。朝ですよ〜」 ≪寝室ドアをノック≫ 更紗「お兄様〜。起こしますよ?」 ≪恭介の部屋に入る≫ 更紗「朝ですから起きてくださいね。えいっ」 −40秒後− 恭介「・・・はぁっはぁっ。さ・・・更紗、鼻と口を押さえ込んで苦しく起こすのは 止めてくれ・・・」 更紗「だって全然起きてくれる気配がなかったから」 恭介「あのままじゃ、永遠の眠りにつくトコロだぞ。目を開けてるのに離して くれないじゃないか」 更紗「今朝の記録は約40秒っと。記録更新ならず・・・か」 恭介「それ、お前の誕生日にプレゼントした日記帳だよな・・・」 −リビング− 恭介「あれ?まだ8時前か。日曜なのに早く起こしたんだな」 更紗「今日はサファリパークへ連れて行ってくれる約束ですよ」 恭介「そんな約束したのか?記憶にないんだが・・・」 更紗「しましたよ。1年と8ヶ月前に」 ≪日記を見せる更紗≫ 恭介「本当だ。・・・色んな情報が書いてあるんだな、それ」 更紗「見ちゃダメですよ。お兄様の記録が沢山あるんですから。くす」 ≪どんな記録があるのかと思うと、涙が出てくる兄であった≫ −パーク内− 【赤ちゃんライオンと記念撮影のブース】 飼育員「はい、お嬢ちゃん。怖くないから優しく抱いてあげてね」 更紗「来た目的はコレなんです。笑わないでよ?お兄様」 恭介「あはは。確かに可愛いからな。小さいライオンってのは」 ≪ジタバタ×2≫←子ライオンは暴れている 飼育員「あ、あら。この子、おとなしい子なのにどうしたのかしら」 恭介「動物ってのはカンが鋭いから、本能的に危険を察知したんじゃないです か」 更紗「・・・お兄様。それどういう意味かしら?」 恭介「んっ・・・別に深い意味はないんだけどな・・・」 ≪目を逸らす恭介≫ ▲目次に戻る (31)葉子ちゃんと『びっくり箱でポン!』の秋(29話目続き) 由香里「お〜い葉子。大丈夫?」 正美「完全にかかってますわね」 由香里「ほっぺたびろーん。ムンクの叫び。研ナオコのまね」 【葉子の顔をいじる由香里】 正美「由香里さん・・・あまり遊ぶのは可哀想ですわ」 由香里「にしても、あたしでも出来るんだから、その5円玉すごいよ」 正美「やっぱり、藤村家に代々伝わる家宝ですから」 由香里「5円玉が家宝なの・・・?」 −葉子を畳の上に寝かす− 正美「では、葉子ちゃんの潜在意識に語りかけて下さい」 由香里「オッケー・・・。葉子、あなたの本当に好きな人は」 葉子「えーと、菅原栄十郎・・・」 由香里「シブいな!」 葉子「えへへ。DVDだって、保存用・観賞用・貸出用って3つあるし」 正美「マニアですね」 由香里「じゃあ次。子供時代で1番嫌だった事は」 葉子「鬼みたいな正美が、注射してきたりした事かな・・・」 由香里「えっと・・・・」←気まずく正美を見る 正美「そう・・・まだ意識の中に残ってるのね、葉子ちゃんったら」 【正美おばさんの意味深な笑み】 由香里「つ、次いこ!葉子はこの会談が終わったらどうするの」 葉子「今日は月がきれいだから、お父さん達と晩さんね」 由香里「りょ・・・料理は・・・?」 葉子「それは−−若くて健康的で、煙草吸わない−−おまえの血だ!!」 由香里「きゃあ〜!!!」 −ふすまが開く− 風間「まいどー!『びっくり箱でポン!』 現場リポーターの風間っす」 由香里「へっ!?び、びっくり箱で・・・ポン・・・」 葉子「驚かせてゴメンなさい。由香里姉さん」 正美「泰明さんに頼まれてしまったの」 由香里「何よ〜。ターゲットあたしか〜!」 風間「はいはい、コッチ向いてぇ」 由香里「うっ。化粧のノリが・・・」 −泰明も部屋に入ってくる− 泰明「なかなか面白いのが録れたよ。ははっ」 葉子「仕掛け人ってワクワクしますね」 泰明「だけど葉子ちゃん。その【光る目】ってコンタクトでしょ?急だった のに、スタッフもよく用意できたなぁ」 葉子「やだな〜泰明さん。これはホ・ン・モ・ノ♪」 泰明「・・・あっ、そうなの・・・。だからリアルなわけだ・・・」 葉子「お父さん達もすぐ来るから。まずは泰明さんから頂こっかなっと!」 ・・・泰明たちは撤収した・・・ ▲目次に戻る (32)名作昔話 −浦島太郎− 『TAKE1』 −浦島太郎が海岸を歩いていると− ヒナキ(子供A)「こんなトコロに、のろまな亀がいるわ」 【ボカッ・スカッ】 良夫(亀)「いて。本気で叩くなっつーの」 葉子(子供B)「あんたね!ウチの畑からリンゴ盗っていく奴」 良夫「だから、少しは手加減しろって・・・」 更紗(子供C)「煮て食べちゃうわよ」 【ビシッ・バキッ・ドカッ】 良夫「誰か助けてくれ〜」 哲夫(浦島太郎)「キミたち、ダメじゃないか」 −間に割ってはいる− 良夫「おおっ!天の助け!!」 哲夫「パンチはね、腰のひねりも重要だ。腕だけで殴ってもダメだぞ」 葉子「あ、なるほど」 良夫「そんなアドバイスするな!違うだろ!」 泰明(監督)「カット、カット・・・」 −監督登場− 泰明「哲夫、しっかりセリフ憶えなきゃ意味ないぞ」 哲夫「NG大賞に出れるかな?がっはっはっ」 良夫「そっちもおかしいぞ。だいたい、土からリンゴなんか採れねぇぜ」 葉子「何言ってんの。ウチのは『土リンゴ』って言って、畑で採れるの!」 泰明「・・・葉子ちゃん、それは強引すぎ・・・」 哲夫「でも、そこの2人は演技うまいなぁ〜」 更紗「女優志望ですから」 ヒナキ「役作りは大変だけどね♪」 泰明「意気揚々と叩く姿は普段通りだと思うが・・・」 更紗&ヒナキ「きっ!」←鋭い睨み 泰明「す、すいません・・・」